サムスンと浦項工科大学(POSTECH)、次世代XRディスプレイ向けアクロマティックメタレンズを発表


2025年2月25日 Display Daily

 

サムスンと浦項工科大学(POSTECH)の研究者は、新型の超薄型フラットレンズ「アクロマティックメタレンズ」の開発に成功し、一般的な画像の歪みを大幅に軽減するという画期的な成果を達成した。

 

従来の曲面レンズとは異なり、メタレンズはナノスケールの構造を平坦な表面上に配置することで作られる。この設計により、レンズの厚みは0.5mm以下にまで薄型化できるだけでなく、重量も大幅に軽減されるため、コンパクトなデバイスへの応用が非常に期待されている。

 

RGBアクロマティックメタレンズのR2P製造(出典:POSTECH)
RGBアクロマティックメタレンズのR2P製造(出典:POSTECH)

 

メタレンズにおける主な課題の一つは色収差(クロマティック・アベレーション)である。これは、異なる色が同じ焦点に結ばれず、画像がぼやけたり色のにじみが発生したりする一般的な光学的問題だ。

 

従来のレンズ設計では、各微細構造(メタストラクチャー)が個別に設計されることが多く、それらが互いにどのように影響し合うかが考慮されていなかった。しかし、研究チームはこの問題に対処するため、設計プロセスを抜本的に見直した。すべての微細構造を一括して最適化することで、レンズ製造後に色収差を効果的に排除できるようにした。

 

さらに、この革新的なレンズ設計により焦点距離が短縮され、レンズ全体のサイズと重量がさらに軽減された。加えて、従来の設計に比べ、焦点性能を損なうことなくレンズの面積を3~5倍に拡大することにも成功している。