インドの電子機器メーカーが30億ドル規模のディスプレイ工場建設を計画


2025年1月22日 Display Daily

 

Dixon Technologiesは、インドにおいて数十億ドル規模のディスプレイ製造施設を設立する計画を進めており、現在、世界的な技術企業と協議を行っています。この計画では、約30億ドルの投資を見込んでおり、生産の現地化、コスト効率の向上、テレビ、携帯電話、ノートパソコン、タブレット、自動車用途など幅広い製品群におけるサプライチェーンの強化を目的としています。同社は生産量の60%をテレビ用ディスプレイ、約15%をスマートフォン用ディスプレイに割り当てる予定です。提案されている第8.6世代ディスプレイファブリケーション施設は、月間6万基板の生産能力を持ち、プロジェクトが完全稼働すれば、年間17億~20億ドルの収益をもたらすと見込まれています。

 

中国企業のHKCとの提携により製造拠点が最終決定されており、次の会計年度の前半には生産を開始する見込みです。ただし、Dixonはインド半導体ミッション(ISM)2.0の政策指針を待ってから正式に進める予定です。また、ディスプレイモジュール工場も今後2~3四半期以内に稼働予定で、政府からの補助金がプロジェクトの資本支出の最大70%をカバーする可能性があります。

 

ディスプレイ製造への進出は、Dixonが2024年12月末までの四半期で強力な財務報告を発表した直後に行われるものです。同社の純利益は前年同期比で124%増の21億7千万ルピー(2,700万ドル)に急増し、売上高は117%増の1兆461億ルピー(13億1,000万ドル)を記録しました。また、EBITDA(利払い・税金・償却前利益)は2倍以上となる39億8千万ルピー(5,000万ドル)に達しました。

 

ディスプレイ事業のほかにも、Dixonは通信およびネットワーキング製品分野への拡大を進めており、インドを世界的な通信機器の拠点とすることを目指しています。同社の子会社であるPadget Electronicsは、すでにGoogle Pixelスマートフォンの国内生産を開始しており、2026年度までに売上高に150億ルピー(1億8,700万ドル)を追加する可能性があります。Dixonは、携帯電話部門での新規顧客獲得や市場シェア拡大を通じて短期的な成長を強化することを目指しており、ラップトップやITハードウェアも今後の重要な成長分野として位置づけています。